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【コラム】進化するK-POP、「K」の正体は…

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.29 09:40
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「だから、K-POPって何なんだっけ?」NewJeans(ニュージーンズ)の曲を聞きながら改めてこんな疑問が思い浮かんだ。英オックスフォード辞典の定義は簡単だった。 「韓国のポップミュージック(pop music from South Korea)」。ところが、最近のK-POPからは韓国という国籍は大きな意味が消えた。外国人の歌手が参加しているグループは数え切れないほど多くなり、JYPのJ.Y. Park(パク・ジニョン)は北米のK-POPグループを作ると言ってオーディションを行っている。

では、K-POPは一つの音楽ジャンルなのだろうか。ラテン・ポップのように地域伝統音楽をベースにした音楽と比べてみると、混成ジャンルの性格を持つK-POPを別途ポップの下位ジャンルとは言えない。だから真顔でK-POPの定義を語ろうとするならば、説明が長くなる。それでも我々は皆、知っている。K-POPがどんな感じなのか。

 
出抜けにK-POPの定義を考えてみたのは、NewJeansがそれだけ新鮮だったからだ。我々が知っている従来のK-POPの感じとは全く違う音楽だ。「余裕がある感じ」「透明感」「親しみやすさ」「自然な感じ」「ロウファイ」「ミッドテンション」…。NewJeansをレビューする際に外国の音楽雑誌がつける言葉だ。強烈なビートと一糸乱れぬ群舞、複雑なコード進行、ガールズクラッシュのような強烈さと刺激が代表的なイメージだったのに比べると大きな変化だ。

「ピッチフォーク」のような音楽専門誌はNewJeansのミニアルバム『Get up』に歴代のK-POPの中で「ソテジワアイドゥル」の1stアルバムに続く2番目に高い評点を与え、気位の高いマニアたちもうなずいている。「もう肩の力を抜いてもこれくらいできる」という、鼻の高いファン心理が湧き上がる。それだけなのか。40~50代の中年も「私はK-POPをよく知らなかったのですが」と愛情のこもったコメントをつけるのに忙しい。UKガレージ、ジャージー・クラブ、バイレ・ファンキなど多様な要素を持ってきて大衆的にアレンジしたというその音楽的秘訣を知らなくても、そよ風のようなこの音楽は聞いていて楽しくて聞きやすいが洗練されていてしきりに聞きたくなる。世代を一つにし、大衆と専門家を、韓国と世界を一つにした。

デビュー1年も経たないうちにビルボード100チャートに新曲を一度にチャートインさせ、デビュー初のコンサートを米ロックフェスティバル「ロラパルーザ」で観客の大合唱で終えられるミュージシャンは米国でもなかなかいない。この程度になれば、もはや「ビルボードチャート入り」や「米国進出」、「成功的安着」のような非主流の姿勢は不要に見える。このまま行けば、NewJeansは歴史的なヒットと成功はもちろん、今後、米国ポップの主流のトレンドを先導する1つの軸になるだろう。

革新的だが感情的に細密でレトロなのに最先端のような感じの音楽。K-POPの文法と典型性から脱皮し、普遍性へと進むK-POPは、このように音楽的に広がり、進化している。そうして進化するK-POPの「K」にさらにどんなものが含まれなければならないのか考えてみることになる。権威ある音楽専門誌「ローリングストーン」は先月、「最も偉大なコリアンポップミュージック100選」を発表した。彼らは「K-POP」の始まりを1990年代のソテジワアイドゥルの登場と定義しつつも、これを生んだ韓国歌謡史全体を対象に100曲を選定した。K-POPを眺める外部の視線がさらに真摯で、深くなったことを実感させる。

我々としては今日のK-POP誕生に至るまで、我々がどれほど豊かな面を持つ大衆歌謡を作ってきたかを改めて誇らしく振り返ることになる。K-POPが進化していき、Kはこのような幅広い韓国の大衆音楽まで含まれる意味に拡張されることを期待する。

K-POPのKが単純に音楽というだけでなく、各種トレンドを織り成す高度な音楽的企画力、ファンダムとソーシャルメディア、ストーリーテリング戦略、または彼らを育てるレッスンの方法など統合的なノウハウとシステムの意味を含んでいるならば、これもさらに進化する必要がある。

また、たびたび発生するレッスン生の人権問題、公正でない契約問題のような音楽外の紛争が進化するK-POPの課題を示唆していると言える。K-POPを見つめる外国メディアの視線は、K-POPのイメージにシステムの問題点を暴こうとしている。それに対して「そっちはどうなんだ」と反問ばかりするのは違うと思う。

K-POPのKに「国を代表する」とか「必要ならば国家的行事に容易に動員できる」というような意味はこれ以上含めないでほしいと願うようにもなる。K-POPの華麗な今日を作り出した人たちは、K-POP軍団の一員や文化輸出の力軍になるためではなく、一人一人が自分の芸術を完成させるために血と汗、涙を流したアーティストに過ぎないからだ。

イ・ユンジョン/文化コラムニスト

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