【時論】北朝鮮の「2つの国家論」は対南赤化路線の廃止でない(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.21 14:34
最も大きな問題は金委員長の2つの国家論が持つ危険性だ。金委員長の主張は平和共存論でなく、交戦中の2つの国家論であるからだ。南北が交戦国関係に転換される場合、戦時体制に相応する高費用構造が形成され、軍事的衝突の可能性が高まる。分断体制が長期間続いたという点で、韓国社会に定着スパイと北朝鮮同調勢力が残存している可能性も排除できない。北朝鮮の交戦国関係宣言で、こうしたスパイは自動的に「戦時要員」に転換されたと見ることができる。これによる主体と原点が不明なグレー地帯挑発や「一匹狼」を装ったテロやかく乱行為も考えられる。
金委員長は北朝鮮の南側国境線を軍事境界線(MDL)とし、北方限界線(NLL)を「不法無法」と規定した。「大韓民国が北朝鮮の領土・領空・領海を0.001ミリでも侵犯すれば戦争挑発と見なす」と脅迫した。大韓民国はNLLが確固たる海上境界線であり、絶対に守るという立場を堅持しているため、互いに対立する。